
『赤毛のアン』の舞台プリンスエドワード島(PEI)は美食の島としても有名で、「カナダのフード・アイランド」と呼ばれています。セント・ローレンス湾に位置するプリンスエドワード島は、農業・漁業・酪農が盛んで美味しい食材が豊富なのです。特にプリンスエドワード島の名物は新鮮なロブスター!今回は島の食文化を大切にするアイランダー(島の人たち)ご自慢のロブスターの魅力を交えたカナダ旅行体験記をお届けします。
プリンスエドワード島の名物ロブスター

プリンスエドワード島の名物と言えばロブスター(オマール海老)!魚介類が豊富に捕れるプリンスエドワード島の中でも、低い水温の中で育つロブスターは特に身が締まって美味しいと評判なのです。しかもプリンスエドワード島のロブスターはリーズナブル!高級食材のロブスターをまるごといただけるなんて旅ならではの贅沢です。
プリンスエドワード島のロブスター漁は、5~6月、8~10月の4ヶ月だけと決まっています。だからこそ、ロブスター漁が解禁になる時期のロブスターは格別で、美味しい旬の味を堪能できます。
採れたてのロブスターをはじめ、美味しい名物がいっぱいの美食の島プリンス・エドワード島!「カナダのフード・アイランド(Canada’s Food Island)」でグルメ旅行を楽しむのもいいですね。
ロブスターサパー

プリンスエドワード島名物のロブスターをいただいたお店は、『フィッシャーマンズ ワーフ ロブスター サパーズ(Fisherman’s Wharf Lobster Suppers)』。ロブスター漁で有名なノースラスティコにあるレストランです。

「ロブスターサパー( Lobster Supper )」というプリンスエドワード島名物のコース料理は、どど~ん!大きなロブスターがまるごと一匹出てきます。溶かしバターやレモンを付けていただく茹でたてのロブスターは何とも美味!ジューシーで食べごたえがあります。

テーブルの上にある大きなバケツは、ロブスターの殻入れです。黙々と殻をむきながら豪快に食べていると、あっという間にバケツが殻でいっぱいに!

プリンスエドワード島名産のジャガイモもまるごと一個!ロブスターサパーはボリューム満点です。

ロブスターサパーにはパンも付いています。きのこみたいな形が可愛い!

デザートは珈琲とストロベリー・ショートケーキ。甘酸っぱいストロベリーと甘いアイスクリームが溶け合って美味しかったです。
プリンスエドワード島の名産品がたっぷり詰まったロブスターサパーでお腹も心も満たされました。とはいえ、美食の島にはまだまだロブスター名物が目白押し。ロブスターをロールパンにはさんだ「ロブスター・ロール」や、マクドナルドのプリンスエドワード島期間限定商品「マックロブスター」など食べたいものが山ほどあります。今度はぜひロブスターの食べ比べにチャレンジしてみたいです。
ロブスターは母の日の定番メニュー

5月の第二日曜日は母の日。実はカナダも同じ日が母の日なのですが、プリンスエドワード島では母の日の定番メニューがロブスター!5月解禁のロブスター漁に合わせて、母の日に家族みんなで初物のロブスターを食べる習慣があるそうです。
私たちがロブスターを食べに行った日がちょうど母の日だったので、レストランは地元の家族連れの人たちで賑わっていました。お母さんに感謝の気持ちを込めてみんなで一年で最初の美味しいロブスターを食べるなんてとても素敵な習慣ですね。思いがけなくアイランダーならではの心温まる光景に出会えてラッキーでした。
「赤毛のアン」はロブスターを食べない!?

「赤毛のアン」はロブスターを食べない!?そう言えば、物語の中に美味しそうな料理やお菓子はよく出てきますが、ロブスターはあまり出てこないような気がします。「カナダの謎 なぜ『赤毛のアン』はロブスターを食べないのか?」によれば、当時、”ロブスターは貧しいフランス系の猟師が食べるもの”だったのだそうです。
島の多数派であるイギリス系住民はロブスターには見向きもせず、お弁当にロブスターのサンドイッチを持たされたフランス系漁師の子どもが、登校途中にロブスターを抜き取って道に捨てたという話すらある。
「カナダの謎 なぜ『赤毛のアン』はロブスターを食べないのか?」(平間 俊行 著/ 日経ナショナルジオグラフィック社)
当時、腐るほど捕れたロブスターは、畑の肥料にも使われていたそうです。現在、ロブスターが高級食材となっていることを知ったら、その時代の人たちはきっとびっくりするでしょうね。
確かに小説「赤毛のアン」を読んでいると、かつてイギリス系の人がフランス系の人を見下していた時代があったことがわかります。カナダのTVドラマ『アボンリーへの道』でも缶詰工場で働く貧しい人たちの様子が描かれているのを思い出しました。
「人を雇うのは、おっそろしくめんどうになってきてるしね。あの、まぬけな半人前のフランス人の小僧どもぐらいじゃないの、雇おうと思えば。それだってわたしらのやり方をならわせて、何か教えこめばすぐ、ロブスターの缶詰工場や合衆国へ行っちまうしね」
『赤毛のアン』(モンゴメリ著 村岡花子訳/新潮文庫)
「カナダの謎 なぜ『赤毛のアン』はロブスターを食べないのか?」には、赤毛のアンの謎のほか、「なぜ、世界から愛されているのか」、「どうしてこんなに国づくりがうまくいっているのか」など、カナダの温かな国づくりの秘密が明かされています。その謎を知れば知るほどカナダにハマること請け合いです。
赤毛のアンとロブスターのお土産

『フィッシャーマンズ ワーフ ロブスター サパーズ(Fisherman’s Wharf Lobster Suppers)』にはギフトショップが隣接しています。赤毛のアングッズのほか、ロブスターのキーホルダーなどプリンスエドワード島ならではのお土産がたくさん揃っているので要チェックです。
※お店の定休日や営業時間など詳細は公式サイトでご確認ください。
Fisherman’s Wharf Lobster Supper
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