
世界名作劇場アニメ「赤毛のアン」をもとにアン・シリーズの魅力に迫ります。第9話は小説第12章「 おごそかな誓い」に該当するエピソードで、ダイアナとの出会いが描かれています。 ※村岡花子さんが翻訳された小説(新潮文庫)を参照しています。
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アニメ「赤毛のアン」第9話のあらすじ
世界名作劇場アニメ『赤毛のアン』第9話の簡単なあらすじをもとにアンの魅力を探ります。マリラはアンをダイアナに会わせるために、バーリー家へ連れていきます。アンは期待と不安が入り混じった気持ちでダイアナに会いますが、二人はすぐに打ち解け、心の友(腹心の友)になるおごそかな誓いを立てるのでした…。
初めて名前を聞いた時からダイアナに会う日を待ちこがれていたアン。でも、いざ会いに行くとなると急に怖気づき、「もしダイアナがあたしを好きにならなかったら”一生で最大の悲劇的な失望”だわ」と不安げに話します。でも、マリラは全く意に介さず、アンをバリー家に連れていきます。
バリー家に到着すると、アンはスカートの両端を持ち上げるカーテシ―で礼儀正しく挨拶します。もちろん、バリー夫人から名前を聞かれた時には、「アンは最後に“e”をつけてつづるんです」と付け加えるのも忘れません。
バリー夫人はダイアナに「アンを庭に連れていって、あなたの花を見せておあげなさい」と言い、二人はバリー家の庭に出ます。アンとダイアナは無言のまま庭の小径を歩きますが、しばらくしてアンが、「あの…、あなた、あたしを少しは好きになれると思う?あたしの心の友になってもいいと思うくらいに」と尋ねます。すると、ダイアナは「ええ、なれると思うわ」と応えます。
心の友(腹心の友)の誓い
アンはダイアナを花壇の十字路まで連れていき、”心の友(腹心の友)”になるおごそかな誓いを立てることを提案します。「どうやって誓うの?」とダイアナが尋ねると、「手をつながなくちゃいけないの…。本当は流れている水の上でつながなくちゃいけないんだけど、ここを水の流れだと想像すればいいわ」と言い、”永久に友達になる”宣誓をします。
アン:「太陽と月のあらんかぎり、わが心の友ダイアナ・バリーに忠実なることを、われ、おごそかに誓います ・・・・・・・今度はあなたの番よ。あたしの名前を間に入れてちょうだい」
世界名作劇場「赤毛のアン」第9話
ダイアナ:「太陽と月のあらんかぎり、わが心の友アン・シャーリーに忠実なることを、われおごそかに誓います・・・・・・・ あなたって変わってるわね。でも、本当にあなたが好きになりそうだわ」
心の友(腹心の友)の誓いを立てた後、二人は手をつないで野原を駈け回ったり、一緒にブランコに乗ったりして笑い合うのでした。
アンとダイアナは家に戻り、ダイアナの部屋に向かいます。2階にある大きな窓から”きらめきの湖”が見えます。初めてプリンスエドワード島にやって来たアンが、マシュウの馬車でグリーンゲイブルズに向かう途中で名付けた場所です。「きらめきの湖!素敵な名前だわ」 とダイアナも気に入ってくれて、アンは嬉しくなります。
ダイアナの部屋に入り、たくさん並んでいる本に感激するアン。「クリスマスやお誕生日のプレゼントはいつも本なの。持って帰って読んでいいわよ」とダイアナが言い、アンはますます感動します。
「あたしも本は好きよ。自分では持ってないけど借りて読んだの・・・・・・・本に書いてあることをいろいろ想像するのは本当に楽しいわ。でも、本や想像は友達の代わりにはならないんだわ。それが今わかったの」
世界名作劇場「赤毛のアン」第9話
これまでケティ・モーリスやヴィオレッタなど想像でしか友達をもったことがなかったアンは、本当の友達と永遠の誓いをたてた喜びを噛み締めます。この日からダイアナとの友情は固い絆で結ばれ、大人になっても途切れることなく続くのです。
”心の友”ダイアナとの楽しい時間はあっという間に過ぎ、名残惜しそうにグリーンゲイブルズに戻るアン。途中まで見送りに来たダイアナと握手をし、明日の午後、小川にかかる橋で会うことを約束して別れます。
胸いっぱいのアンは「今この瞬間、あたしはプリンス・エドワード島で、一番幸せな娘よ!」とマリラに感動を伝えます。
「今晩は心からお祈りができるわ。ダイアナとあたし、明日の午後、ベルさんの白樺の森に、ままごとの家を作るつもりなのよ。ダイアナのお誕生日は2月で、あたしは3月なの。不思議な巡り合わせだわね」
世界名作劇場「赤毛のアン」第9話
グリーンゲイブルズに戻ってもアンのおしゃべりはとめどなく続き、「その調子であんまりお喋りして、ダイアナをうんざりさせるんじゃないよ」とマリラにたしなめられます。そして、帰ってきたマシュウに、ダイアナと永遠に変わらぬ友情の誓いをたてたことを嬉しそうに話すと、小さな包みを手渡されます。
「チョコレート・キャンディーね!」と大喜びするアン。 ブレアの店に行き、「何を差し上げますかな?」と聞かれてもなかなか言い出せなかった内気なマシュウ。それでも、アンを喜ばせたい一心で買ってきたのです。
マリラはその様子を見て、”ハッカドロップ”の方がいいのにと文句を言い、「いっぺんに食べるんじゃないよ、気分が悪くなるからね」とアンに注意します。するとチョコレート・キャンディーの小袋を抱えながら、こう言います。
「あら、いっぺんに食べたりしないわ、今晩は1つだけ、それから、これ半分ダイアナにあげていいでしょう?そうしたら、あとの半分は倍おいしくなるわ。ダイアナにあげる物ができたと思うと嬉しいの」
世界名作劇場「赤毛のアン」第9話
マリラはマシュウと二人きりになった時、「あの子のいいところはケチでないところ」とアンをほめ、「あの子が来てからまだ2、3週間しかたっていないのに、もうずうっと前からいるような気がしますよ。あの子のいない家なんかとっても考えられません 」と話します。そして、「でも兄さん、だから言ったじゃないかなんて顔はしないで下さいよ。そんな顔は女からされてもイヤだけど、男からじゃ我慢できませんからね!」と言い添えるのでした。
自分の部屋に戻ったアンは、チョコレート・キャンディーを1つだけつまんで、ダイアナから借りた本を読み始めます。そして、窓の外に広がる美しい景色を眺めながら、最高の幸せを味わうのでした。
マシュウとチョコレートキャンディー
ダイアナと心の友(腹心の友)の誓いを立てた日、 アンは”プリンスエドワード島じゅうで一番の幸せ”を味わい、さらにマシュウからチョコレート・キャンディーをプレゼントされ、 最高に幸せな一日を過ごします。花ざかりの庭でおごそかに行われる誓いの儀式は、ロマンチックなアンならではの素敵な演出ですね。生涯続く友情は現実ではなかなか難しいからこそ、二人の儀式は永遠の憧れとして心に残ります。
想像力と持ち前の明るさで周りを幸せにするアン。苦手なことを克服してまでアンのためにチョコレート・キャンディーを買ってくるマシュウも幸せな変化をもたらされた一人ですね。
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