プリンスエドワード島の森

世界名作劇場アニメ『赤毛のアン』をもとに、アン・ブックスの世界を辿ります。第10話 「アン・心の友と遊ぶ 」は、小説・第13章「待ちこがれるピクニック」の中に出てくるアイドルワイルドを中心にしたエピソードです。 アイドルワイルド・ドライアドの泉・妖精たちの鏡など、お気に入りの物や場所に次々と名前を付けて楽しむアンを見て、「あなたって名前をつける名人ね」とダイアナが感心するのでした。 ※村岡花子さんが翻訳された小説(新潮文庫)を参照しています。

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赤毛のアン 第10話のあらすじ

世界名作劇場アニメ『赤毛のアン』第10話の簡単なあらすじをもとにアンの魅力を探ります。アンはダイアナと一緒にベルさんの樺の木立へ遊びに出かけ、”アイドルワイルド”と名付けます。二人は割れた食器や拾ったものを並べて”想像上の家”を作ったり、”妖精たちの鏡”を見つけて空想話をしたり、二人だけの秘密の場所で楽しい時間を過ごします。

アンはネーミングの達人で、アボンリーに初めてやってきた時から、”喜びの白い道”や ”きらめきの湖”など様々な物や場所に名前を付けて楽しんでいます。第10話では白樺の木が小さな輪になって生えている場所を”アイドルワイルド”と名付けて、ままごとの家を作って遊ぶ様子が描かれています。

妖精たちの鏡

アンとダイアナはベルさんの樺の木立に行く途中、草むらに光るつりランプのかけらを見つけて”妖精たちの鏡” と名付けます。そして、樺の林を抜けた明るい場所へ着くと、白樺の木が小さな輪になって生えている場所に”アイドルワイルド”というロマンチックな名前を付けます。

「よくそんな名前思いつくわね!」と感心するダイアナに、今、思いついたのではなく、ここの話を聞いてからずっと考えていたと話すアン。そのせいでお皿を1枚欠いちゃったという落ちまで付いています。

アイドルワイルド

アンとダイアナは”アイドルワイルド”の想像上の家で、ままごと遊びを始めます。

「素敵だわ、まるで緑の屋根をいただいた大きなあずま屋ね!立派なお屋敷になるわね。大理石の柱の大広間よあの天窓は水晶張りなの。だって光がこんなにキラキラ降ってくるんですもの」

世界名作劇場「赤毛のアン」第10話

ダイアナは玄関に見立てた木の間をノックして、アンの家を訪れるふりをします。大きな切り株はテーブル、固い木片は柔らかい(!?)ソファーのつもり。アンはマシュウからプレゼントされたチョコレート・キャンディーを皿に盛り付けて、ダイアナをもてなします。

「あたしね、昨日もらった時、あなたと半分ずつにすればおいしさが2倍になると思ったの」と言うアンに、「あ~おいしい!あたしこんなおいしいチョコレート・キャンディー初めて。2倍どころじゃないわ、3倍も4倍もよ!」と感激するダイアナ。二人の息もぴったりです。

アンとダイアナは空想の世界をたっぷり楽しんだ後、紫色やピンク色のフィルムで色々なものを覗いたり、ウィローミアのように気絶する真似をしたり、野原に並んで寝転がったりして遊びます。

ドライアドの泉

窪地の泉を見つけたアンは、泉から湧き出る水でゆらゆら揺れる葉っぱを「まるで妖精が泳いで動かしているみたい」と想像し、“ドライアドの泉”と名付けます。

アン:「ね、この泉のこと“ドライアドの泉”って呼ぶことにしない?」
ダイアナ:「ドライアドの泉?…“ドライアド”って確か樹の妖精みたいなものだったわね。素敵だわ、あなたって名前をつける名人ね!」

世界名作劇場「赤毛のアン」第10話

ダイアナと心ゆくまで空想の世界を楽しむアンは、「ケティもヴィオレッタも、今では懐かしい昔の友達になったわ。だって今あたしには、ダイアナがいるんですもの!」と本当の”心の友”と過ごす幸せを噛み締めます。すると、ダイアナは、”心の友”のために『はしばみ谷のネリー』を歌い始めます。

ちなみに、『はしばみ谷のネリー』は 『 Nelly in the Hazel Dell』という歌で、原曲は亡くなったネリーを偲ぶ悲しい内容です。でも、アニメでは美しいメロディーに合わせて元気いっぱいに歌っています。

花かおる野辺に、小鳥は歌い
歩むネリーの うるわしき姿
うたえ ひびけ はしばみ谷の
こだまを返す 乙女のよろこび

世界名作劇場「赤毛のアン」第10話

アンとダイアナは『はしばみ谷のネリー』を歌いながら歩き、小川に架かる橋まで来ると、「じゃ、また明日。アイドルワイルドでね」と言って別れます。アンは楽しい時間を満喫し、幸せな気分でグリーンゲイブルズに帰っていくのでした。

それにしても、アンが思いつく名前はどれも詩的で個性的!名前を付けただけで身近なものが 特別な存在になるから不思議です。妖精の鏡・アイドルワイルド・ドライアドの泉など、耳にするだけで心地よい気分になる類まれなるネーミングセンスに脱帽です。ありふれた日常を言葉の魔法で輝きに変える技は、想像力豊かなアンならではの処世術と言えるかもしれません。

◆関連記事 赤毛のアン 第1話 マシュウとの出会いと喜びの白い道

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