2020年9月からNHKで「アンという名の少女」 シーズン1が全8回にわたり放送されました。L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」をもとにしたドラマですが、少女文学として親しまれている原作とはかなり違うストーリー展開に驚きました。原作は一旦忘れて、全く新しい物語として見た方がいいのかもしれません。

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アンという名の少女と赤毛のアン

「アンという名の少女」 と「赤毛のアン」のストーリーはかなり違います。「アンという名の少女 (Anne with an E) 」の主人公も Eの綴りのアンですが、 小説「赤毛のアン」のアンじゃない! 原作のお話とは別物です。

「赤毛のアン」は、男の子を迎えようとするマシュウとマリラのもとに、手違いでアンという女の子がやって来るところから始まります。「アンという名の少女」 も物語の始まりは同じなのですが、ストーリー自体は原作とはかなり違います。

アンはアンでも「アンという名の少女」はアンじゃない!ドラマ自体は面白いのですが、原作のイメージとかけ離れているのでモヤモヤする場面がたくさんあります。 例えば、ルビーの家が火事になったり、アンの無邪気な発言が「ペットのネズミ」というきわどい話に展開したり、原作にはなかった様々なエピソードに驚かされます。

孤児院で過酷な経験をしてきたアンがアヴォンリーに引き取られてからも学校でいじめられるなんて・・・。 「アンという名の少女」のエピソードには、人種や格差など現代にも通じる複雑な問題が絡んでいるので見ていて辛くなります。でも、アンに対するマシュウとマリラの愛情は原作と同じように強く伝わってくるので救われます。

「アンという名の少女」は 「赤毛のアン」 をベースにしたドラマではありますが、原作を一旦忘れて全く新しい物語として見た方が純粋に楽しめるのではないでしょうか。

とはいえ、アンの世界観が見事に表現された作品には、 紫水晶、いちご水、ふくらんだ袖など原作でおなじみのエピソードもふんだんに盛り込まれているので見応えがあります。

また、プリンスエドワード島の四季折々の自然を映像で鑑賞できるのも大きな魅力です。カナダのオンタリオ州やプリンスエドワード島で撮影されたというリアルな風景は、原作のイメージを損なうことなく、”世界一美しい島”の魅力を伝えてくれます。

ただ、 「アンという名の少女」 シーズン1の最終回の終わり方にモヤモヤ・・・。グリーンゲイブルズに入り込んでくる下宿人がカスバート家を手伝う少年ジェリーを殴ってお金を奪った二人組なのです。アンとギルバートがシャーロットタウンで再会し、二人で立ち寄るパブにも、この男たちがいました。グリーンゲイブルズは一体これからどうなるのでしょうか? オリジナルエピソードの続きが気になって仕方がありません。

『アンという名の少女』(Anne with an E)

『アンという名の少女』(Anne with an E)は、L・M・モンゴメリの小説『赤毛のアン』をもとにしたカナダのテレビドラマシリーズで、シーズン3まで製作されています。

2020年9月にNHKで放送された 『アンという名の少女』は シーズン1を全8回に編集されたものです。 製作総指揮はモイラ・ウォリー=ベケットで、シーズン1の全ての脚本を担当しています。

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「アンという名の少女」でアンを演じるエイミーベス・マクナルティは、原作のアンに一番近いと評判です。「赤毛でやせっぽち、そばかすだらけのアン」は小説のイメージ通り、まるで本の世界から飛び出してきたかのようです。おしゃべりで想像力豊かなアンをリアルに演じるそのイキイキとした表情に思わず見入ってしまいます。ただ、ちょっと残念なのが、ジェリーに対するアンの攻撃的な態度。アンがカスバート家を手伝うジェリーにキツイ言い方をするのが気になります。

「アンという名の少女」 のギルバート

「アンという名の少女」の登場人物はアン以外もイメージ通り、特にギルバート役 のルーカス・ジェイド・ズマンははまり役という声が多いようです。美しい顔立ちは、まさに憧れのギルバートそのもの。ドラマでも、アンを人参とからかって石版で頭を叩かれる場面が再現されています。

ギルバートが登場するのは「アンという名の少女」 第4話「若さとは強情なもの」からで、病気がちの父親と二人暮らしという設定です。第7話「後悔は人生の毒」ではギルバートのお父さん・ジョンが亡くなってしまいます。若い頃、ジョンにプロポーズされながらも家庭の事情で結婚できなかったマリラは深い悲しみに襲われます。原作とはかなり違うストーリー展開に戸惑いつつも、マリラがアンに贈った薄いブルーのリボンが、当時ジョンがマリラに贈ったリボンだったというエピソードが心に残ります・・・。

ちなみに、ギルバート・ブライスを演じたルーカス・ジェイド・ズマン(Lucas Jade Zumann)は、 2000年12月12日生まれ。イリノイ州 シカゴ出身で、人気ドラマ『シカゴ・ファイア』シーズン4をはじめ、映画『20センチュリー・ウーマン』、『エブリデイ』 、『フッテージ デス・スパイラル』などに出演しています。

マシューは死なない!?

「アンという名の少女」と「赤毛のアン」の最も大きな違いは、ドラマの中でマシュウは死なないこと!原作者モンゴメリもマシュウを死なせたことを後悔していたと何かで読んだことがありますが、こんな形で実現しようとは夢にも思わなかったでしょうね。

マシュウは無口で内気な性格の初老の男性ですが、ドラマの中では馬で颯爽と駆け抜ける場面などもあり、ちょっとかっこよすぎるかも!?さらに、アンのためにふくらんだ袖(パフスリーブ)のドレスを注文しに行くお店の女主人がマシュウの幼なじみ(恋人!?)だという設定にもびっくりです。

マシュウのロマンス・・・?なんか違うなあと思いながらも、今後の展開が気になります。でも、「 アンという名の少女」にはシリアスな場面が多いので、内気だけど包容力のあるマシュウ が登場するだけでホッとします。

ところで、マシュウ役のR.H.トムソンは、カナダ製作のテレビドラマ『アボンリーへの道』でジャスパー・デイルを演じていた役者さんです。役柄は全く違いますが、モンゴメリ作品のドラマで再会できたのは嬉しいサプライズでした。

赤毛のアンのスピンオフドラマ『アボンリーへの道(Road to Avonlea)』

まとめ

「アンという名の少女」は原作とはかなりかけ離れたお話なので、原作「赤毛のアン」 とは全く別の物語として見る方がより楽しめるのではないでしょうか。とはいえ、アンの世界が見事に表現された作品はどのエピソードも見逃せません。続編のシーズン2・3がNHKで早く放映されるよう願っています。

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