赤毛のアンの本

「赤毛のアン」のアニメは知っていても、モンゴメリ原作の小説「赤毛のアンシリーズ」を読んだことがある人は意外と少ないかもしれません。アンの本は少女時代を描いた第一巻が有名ですが、実は全11巻12冊のシリーズものです。原作はプリンスエドワード島の美しい自然描写や愉快なエピソードなど小説ならではの魅力がいっぱいで、読み始めると止まらなくなります。でも、全巻読破はやっぱり大変と思われる方は、気軽な気持ちでシリーズ一冊目の「赤毛のアン」だけでも読んでみてください。きっと次から次へと読みたくなること請け合いです。

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赤毛のアンの本は何冊?

「赤毛のアン」の本はアンの少女時代を描いた第一巻が有名ですが、実は続きがあります。全部で何冊あるかというと全11巻12冊のシリーズで、アンの少女時代から始まり、青春時代、ギルバートとの結婚生活、そして、アンの晩年までが描かれている大作です。

第一巻「赤毛のアン」から第十一巻「アンの思い出の日々」まで、アンの年齢に合わせて順番に読むのが一般的だと思いますが、シリーズの中の「アンの友達」と「アンをめぐる人々」の2冊はアンのまわりの人々を描いた短編集なのでアンは登場しません。全巻読むのは大変そうと思われる方は、まず、アンが主人公の作品だけを読んでみるといいかもしれません。

「赤毛のアン」シリーズ全11巻のタイトルと原題、それから本の中で描かれるアンの年齢は以下になります。

「赤毛のアン」シリーズ全巻
1. 赤毛のアン Anne of Green Gables(アン11〜16歳)
2. アンの青春 Anne of Avonlea(アン16〜18歳)
3. アンの愛情 Anne of the Island(アン18〜22歳 )
4. アンの友達 Chronicles of Avonlea
5. アンの幸福 Anne of Windy Willows(アン22〜25歳)
6. アンの夢の家 Anne’s House of Dreams(アン25〜27歳)
7. 炉辺荘のアン Anne of Ingleside(アン33〜39歳)
8. アンをめぐる人々 Further Chronicles of Avonlea
9. 虹の谷のアン Rainbow Valley(アン40〜41歳)
10. アンの娘リラ Rilla of Ingleside(アン48〜53歳)
11. アンの思い出の日々 The Blythes Are Quoted (アン40〜75歳)

※「アンの友達」と「アンをめぐる人々」の2作品にアンは登場しないため、アンの年齢は記載されていません。また、「アンの思い出の日々」は上巻下巻に分かれているので、全11巻(12冊)となります。

ちなみに「アンの想い出の日々」は著者モンゴメリが亡くなる直前に完成させたアン・シリーズの最終作で、「アン」誕生100年を機に刊行されました。1939年刊行の『炉辺荘のアン』以来約70年振りの新作は、アン・ファンにとって嬉しい出来事でした。日本では村岡美枝さん(村岡花子さんの孫)の翻訳で2012年に刊行されています。

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「赤毛のアン」シリーズ

「赤毛のアン」シリーズの本の中でアンが主人公として登場する作品は、「赤毛のアン」、「アンの青春」、「アンの愛情」 、「アンの幸福」、「アンの夢の家」の5冊です。それ以外の作品の中ではアンは脇役として登場するのみです。

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「炉辺荘のアン」、「アンの娘リラ」の主人公はアンの子どもたち、「虹の谷のアン」の主人公は、なんとアンの近所に住んでいる一家の子どもたちなのです。さらに「アンの友達」と「アンをめぐる人々」に至ってはアンは脇役にすら登場しません。

でも、これはある意味、アンシリーズ全11巻(12冊)は多すぎて読めないなあと思っている方にとっては朗報なのかも?12冊は無理だけど、アンが登場する5冊だけなら読めそうな気がしませんか?最初はハードルを下げつつ、徐々に全巻読破を目指してみてはいかがでしょうか?

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アン・ブックスとは?

『赤毛のアン』及び「アンの友達」と「アンをめぐる人々」を除く9冊の本は、一般的にアン・ブックスと呼ばれています。9冊の本にはアンが主人公または準主人公として登場しますが、「アンの友達」と「アンをめぐる人々」はアンとは直接関わりのないお話なので番外編として捉えられているのでしょう。

アン・ブックスが刊行された年を順番に並べてみると、アンが時系列に刊行されていないことがわかります。

・1908年 赤毛のアン Anne of Green Gables(アン11〜16歳)
・1909年 アンの青春 Anne of Avonlea(アン16〜18歳)
・1915年 アンの愛情 Anne of the Island(アン18〜22歳 )
・1917年 アンの夢の家 Anne’s House of Dreams(アン25〜27歳)
・1919年 虹の谷のアン Rainbow Valley(アン40〜41歳)
・1921年 アンの娘リラ Rilla of Ingleside(アン48〜53歳)
・1936年 アンの幸福 Anne of Windy Willows(アン22〜25歳)
・1939年 炉辺荘のアン Anne of Ingleside(アン33〜39歳)
・2009年 アンの思い出の日々(上下) The Blythes Are Quoted (アン40〜75歳)

1908年にアメリカ東部ボストンのL・C・ペイジ社から刊行された「赤毛のアン」はアメリカ、カナダ、イギリスでベストセラーとなり、翌年には「アンの青春」が発行されます。でも、原作者モンゴメリは「赤毛のアン」だけで完結させるつもりだったので、「続編を書くのだったらマシュウをあんなに早く死なせるのではなかった」と後悔したそうです。

アンシリーズに興味はあるけど12冊も読めないなあと迷っている方は、第1作目の「赤毛のアン」だけでもぜひ読んでみてください。きっと夢中になること請け合いです。


赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ1―(新潮文庫)

最後に

日本では村岡花子さんの翻訳で有名になった「赤毛のアン」シリーズですが、そのほか、松本侑子さん、掛川恭子さん、谷口由美子さんなど多くの方が翻訳されています。同じストーリーでも翻訳者によってそれぞれ趣が異なるので色々読み比べてみてはいかがでしょうか。

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