プリンスエドワード島

赤毛のアンのはじめてのピクニックは大騒ぎ!憧れのアイスクリームが危うく食べられなくなるところでした。マリラからブローチをなくした疑いをかけられたアンは、嘘の告白をしてしまうのです。ちょっとせつない悲喜こもごものエピソードは、アニメでは「第11話 マリラ・ブローチをなくす」と「第12話 アン・告白をする」、原作小説「赤毛のアン」(村岡花子 訳/ 新潮文庫)では第13章「待ちこがれたピクニック」と第14章「アンの告白」に収録されています。

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赤毛のアン はじめてのピクニック

赤毛のアンのはじめてのピクニックは悲喜こもごも。アニメ赤毛のアン「第11話 マリラ・ブローチをなくす」と「第12話 アン・告白をする」で、アンの身の上に起きた大騒動を振り返ってみましょう。

ピクニックの前の月曜日の夕方、大変なことが起こります。マリラが大切にしていた紫水晶のブローチがなくなってしまったのです。実は、その日の午後、アンはマリラの部屋に入り、そのブローチをこっそりつけていました。

「紫水晶のブローチを見なかったかね?」とマリラに聞かれた時、アンはたしかにもとへ戻したと何度も説明しますが、いっこうに信じてもらえません。マリラに疑われたアンは、東の部屋で謹慎させられてしまいます。

ピクニックに行ったことがない孤児院育ちのアンは、はじめてのピクニックを待ちわびながら、バスケットに詰めて持っていく食べものや着ていく服のことをあれこれ考えながら心躍らせていました。それなのに、突然、ピクニックに行けなくなるなんてあんまりです。

このままではピクニックに行かせてもらえないと思ったアンは、嘘でもいいからブローチをとったのは自分だと言えば、解放してもらえるだろうと考え実行に移します。嘘の告白をしたとは知らないマリラは激しく動揺します。

本当の娘のように思い始めていたアンが、平気な顔で「ブローチをとりました」と言う姿をみて、マリラは強い怒りを感じます。そして、アンの計画とは裏腹にピクニック禁止令を突き付けるのでした。

怒りを抑えようと一心不乱に仕事を始めるマリラは、掃除、皿洗い、食事の支度と動き回り、磨く必要のない棚やタタキまでこすり続けます。次々と仕事を片付けた後、何もすることがなくなった時、ふと、肩かけが破れていたのを思い出します。

そして、肩かけを繕うためにトランクの中から取り出そうとした時、紫水晶のブローチがひっかかっているのに気づきます。「これはまあ、どうしたというんだろう?」・・・驚いたマリラがアンに問いただすと、アンが嘘の告白をしたことを白状します。

ようやくアンの疑いが晴れ、マリラは大急ぎで作ったごちそうをバスケットに詰め、アンをピクニックに送り出すのでした。

悲しかった出来事はすっかり忘れて、ピクニックに出かけるアン。そして、満ち足りた様子でグリーンゲイブルズに帰ってきたアンの表情は幸せそのもの!はじめて食べたアイスクリームがいかに素晴らしいものだったか、マリラに話して聞かせるのでした。

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「ねえ、あたし、じつに愉快きわまる時をすごしてきたのよ。・・・なにもかもすばらしかったわ。(中略)それからアイスクリームを食べたの。アイスクリームって言語を絶したものだわ、マリラ。まったく崇高なものね」

「赤毛のアン」村岡花子訳 新潮文庫

赤毛のアンとアイスクリーム

赤毛のアンのアイスクリームのエピソードはちょっとほろ苦いエピソードですが、孤児院育ちのアンにとってピクニックは夢にまで見た特別な出来事。ピクニックの話を聞いたとたん、「ほんとうに全身が冷たくなった」とマリラに興奮しながら話すほどです。しかも一度も食べたことのないアイスクリームまで出るのですから、アンが嘘をつきたくなる気持ちもわかりますよね。

もちろん嘘の告白はいけないことですが、アンの気持ちを思うとせつなくなってしまいます。一方的にアンのせいだと決めつけたマリラも、きっとばつがわるかったことでしょう。「今まで一度もアンタは嘘ついた事がないんだから、アンタの話を疑っちゃいけなかったんだね」というマリラの言葉に救われます。

「五分前にはあたし、とってもみじめで生まれてこなければよかったと思ったけれど、いまじゃ天使にしてあげると言ったってことわるわ」

「赤毛のアン」村岡花子訳 新潮文庫

一連の騒動がなかったかのように、喜び勇んでピクニックに出かけるアン。ピクニックでアイスクリームを食べることができて本当に良かったと、読者も思わず胸をなでおろすエピソードです。

アイスクリームのピクニック

「はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック 」は小学生向けの赤毛のアンです。子どもの本とはいえ、小手鞠 るい さんの文と、さこ ももみ さんのイラストによるオールカラーの美しい本は、大人でもコレクションしておきたくなります。

赤毛のアンは長いお話ですが、1章ずつが楽しい物語になっているので読み聞かせにも使えそう。漢字にはふりがながついているので、はじめてのひとり読みにもいいですね。世界中で愛されている名作『赤毛のアン』はクリスマスプレゼントにも最適です。


はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック (講談社の創作絵本)

最後に

アンのはじめてのピクニックはハラハラドキドキ!最後は憧れのアイスクリームを食べることができて本当に良かったと読者も思わず胸をなでおろします。楽しいエピソード満載の赤毛のアンは世代を超えて伝えたい名作ですね。「はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック 」は子どもへの贈り物にぴったり。大人もコレクションしたくなる可愛い本です。

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