プリンスエドワード島

悲喜こもごものエピソードが満載の「赤毛のアン」。アンがはじめてピクニックに行く際も大変なことが起こります。今回は、村岡花子さん訳「赤毛のアン」(新潮文庫)の第13章「待ちこがれたピクニック」と第14章「アンの告白」より危うく行けないところだったピクニックのエピソードをご紹介します。

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赤毛のアンのピクニック

「赤毛のアン」にとってはじめてのピクニックは夢にまで見た特別な出来事。しかも一度も食べたことのないアイスクリームまで出るのですから、興奮せずにはいられません。ピクニックの話を聞いたとたん、「ほんとうに全身が冷たくなった」とマリラに話します。

ところが、ピクニックの前の月曜日の夕方、大変なことが起こります。マリラが大切にしていた紫水晶のブローチがなくなってしまったのです。実は、その日の午後、アンはマリラの部屋に入り、そのブローチをこっそりつけていました。

「紫水晶のブローチを見なかったかね?」とマリラに聞かれた時、アンはたしかにもとへ戻したと何度も説明しますが、いっこうに信じてもらえません。マリラに疑われたアンは、東の部屋で謹慎させられてしまいます。

このままではピクニックに行かせてもらえない!そう思ったアンは、嘘でもいいから、「ブローチをとりました」と言えば、解放してもらえるだろうと考えます。嘘の告白をしたアンを見て傷つくマリラ・・・。自分の娘のように思い始めていたアンが、後悔する様子もなく、平然とした顔で前言を覆してしまうなんて!!!はげしい怒りを感じたマリラは、アンにピクニック禁止令を出し、猛烈な勢いで働き始めます。

掃除、皿洗い、食事の支度・・・それから、磨く必要のない棚やタタキまでこすり続け、情けない気持ちを振り払うかのように動き回ります。次々と仕事を片付け、何もすることがなくなると、ふと、肩かけが破れていたのを思い出します。

そして、肩かけを繕おうとトランクの中から取り出した時、紫水晶のブローチがひっかかっているのに気づきます。「これはまあ、どうしたというんだろう?」・・・驚いたマリラがアンに問いただすと、アンが嘘の告白をしたことを白状し、ようやくアンへの疑いが晴れ、マリラは大急ぎで作ったごちそうをバスケットに詰め、アンをピクニックに送り出します。

「五分前にはあたし、とってもみじめで生まれてこなければよかったと思ったけれど、いまじゃ天使にしてあげると言ったってことわるわ」

「赤毛のアン」村岡花子訳 新潮文庫

悲しかったことはすっかり忘れて、ピクニックに出かけるアン。そして、満ち足りた様子でグリーンゲイブルズに帰ってきたアンは幸せそのもの!はじめて食べたアイスクリームがいかに素晴らしいものだったか、マリラに話して聞かせるのでした。

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「ねえ、あたし、じつに愉快きわまる時をすごしてきたのよ。・・・なにもかもすばらしかったわ。(中略)それからアイスクリームを食べたの。アイスクリームって言語を絶したものだわ、マリラ。まったく崇高なものね」

「赤毛のアン」村岡花子訳 新潮文庫

アニメ『赤毛のアン』

アニメ『赤毛のアン』では「第11話 マリラ・ブローチをなくす」と「第12話 アン・告白をする」の2回にわたり、アンのはじめてのピクニックの様子が描かれています。

はじめてのピクニック!孤児院育ちのアンはどれほどこの日を待ちわびていたことでしょう。バスケットに詰めて持っていく食べもののことや着ていく服にあれこれ心を悩ましながらも心躍らせていたピクニックに行けなくなるなんて・・・。

嘘の告白をするのはもちろん悪いことですが、アンの気持ちを思うとせつなくなってしまいますよね。一方的にアンのせいだと決めつけたマリラも、きっとばつがわるかったことでしょう。「今まで一度もアンタは嘘ついた事がないんだから、アンタの話を疑っちゃいけなかったんだね」というマリラの言葉に救われます。

それにしても、一連のごたごたがなかったかのように、喜び勇んでピクニックに出かけるアンって本当にいい子!ピクニックでアイスクリームを食べたり、ボートに乗ったりして愉快極まる時を過ごすアンを見て思わずホッ。アンの性格の良さが際立つピクニックのエピソードでした。

赤毛のアン アイスクリームのピクニック

「はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック 」は子ども向けの『赤毛のアン』です。小手鞠 るい さんの文と、さこ ももみ さんのイラストによるオールカラーの美しい本は、大人でもコレクションしておきたくなります。漢字にふりがながついているので、小学生でも一人で読めるでしょう。名作『赤毛のアン』はクリスマスプレゼントにも最適です。

世界中で愛されている『赤毛のアン』。

長いお話ですが、実は、1章ずつがとても楽しい物語になっています。
小さいお子さんでも楽しめる、とびきり楽しいお話をえりすぐり、素敵な絵とともにお届けします。

読み聞かせや、はじめてのひとり読み、プレゼントにもぴったりです。
もちろん、アンが大好きなあなたもぜひ!


はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック (講談社の創作絵本)

最後に

モンゴメリの名作『赤毛のアン』は長いお話なのですが、楽しいエピソードの連続なのでとても読みやすいです。また、「はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック 」は子ども向けの本ですが、アンのファンならコレクションしたくなりそうです。

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