プリンスエドワード島のじゃがいも
プリンスエドワード島のポテト

プリンスエドワード島の特産品はじゃがいもですが、実は島独特の赤土が美味しいじゃがいもを生み出しているのだそうです。でも、プリンスエドワード島の土は、なぜ赤いのでしょうか?それは土壌に鉄分がたっぷりと含まれているからなのです!今回はアイランダーご自慢のじゃがいもと赤土にまつわる様々なエピソードをご紹介します。

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プリンスエドワード島のじゃがいも

プリンスエドワード島のじゃがいも
プリンスエドワード島のじゃがいも

プリンスエドワード島はじゃがいもの名産地で、Spud Island(じゃがいもの島)と呼ばれています。美味しいじゃがいもができるのは、鉄分をたっぷりと含んだ土壌のおかげだそうです。プリンスエドワード島のオレアリーにはポテトミュージアムもあり、じゃがいもがアイランダー(島の人々)にいかに愛されているかがわかります。美味しいじゃがいもは、赤い大地からの贈り物なのですね。

「赤毛のアン」の時代からじゃがいもはプリンスエドワード島の特産品だったようで、島の人たちがじゃがいもの収穫を話題にする場面や、船にじゃがいもを積み込む場面などが出てきます。

先日、「マックフライポテト」のMサイズとLサイズの販売休止のニュースで、マクドナルドではプリンスエドワード島産のじゃがいものが使われていると報じていました。それにしても、プリンスエドワード島のじゃがいもの美味しさが今でも忘れられません。

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プリンスエドワード島の赤土

プリンスエドワード島の土はなぜ赤いのでしょうか?赤毛のアン第2章「マシュウ・クスバートの驚き」にも、初めてアンがプリンスエドワード島に来た時に馬車で赤い道を通り、「ねえ、どうして道が赤くなるの?」とマシューに尋ねる場面が出てきます。

「この赤い道とてもおもしろいわ。シャーロットタウンで汽車に乗ってから、赤い道路をわきに見てどんどん通り過ぎていくので、どうしてあんなに赤いのって、スペンサーの小母さんにきいたのよ。そうしたら小母さんにもわからないんですって。(中略)ねえ、どうして道が赤くなるの?」

「そうさな、どうしてかな」マシュウは答えた。

「いいわ、それもいつかしらべだすことのひとつだわ。これから発見することがたくさんあるって、すてきだと思わない?あたし、しみじみ生きているのがうれしいわ――世界って、とてもおもしろいところですもの。もし何もかも知っていることばかりだったら、半分も面白くないわ。そうでしょう?そうしたら、ちっとも想像の余地がないんですものねえ」

「赤毛のアン」モンゴメリ著 村岡花子訳 新潮文庫

 アンと同じくプリンスエドワード島の赤土が気になって調べてみたところ、赤い土の色は、土に含まれる鉄分によるものだということがわかりました。赤土の肥沃な土壌が、美味しいじゃがいも作りに最適なのだそうです。

『赤毛のアンAtoZ』(奥田実紀 著)の中のRの章に、Red Soilt(赤い土壌)について書かれた文章があります。
 

島の土壌が赤いのは、二酸化鉄が多く含まれているからだ。赤、といっても、レンガ色、赤褐色である。雨が降ると土の赤さがいっそう増して美しい。この赤土を見ると“故郷に帰ってきた”としみじみ感じると島の人々は言っていた。赤土の色は郷愁を誘う色。自然が作りだす色は島を象徴しているように思える。年々色が褪せていっているのが残念でならない。

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『赤毛のアンAtoZ』奥田実紀

プリンスエドワード島を訪れた時も、飛行機の窓から赤土と畑が織りなすパッチワークのよう風景が見えました。印象的な色合いですが、昔はもっと鮮明だったのでしょうね。

プリンスエドワード島の赤土

『赤毛のアンのプリンスエドワード島紀行』(松本侑子 著)には、島独特の赤土にまつわる美しい伝説が記されています。

島の土壌には酸化第二鉄が含まれているため、鉄さび色のように赤く見えるのです。先住民族の伝説では、神様が夕焼けに筆をひたして島を染めたとされています。

『赤毛のアンのプリンスエドワード島紀行』(松本侑子 著)

神様が夕焼けに筆をひたして染めた島!なんて素敵な伝説でしょう。プリンスエドワード島独特の赤土がこのままの姿で残ってほしいと願わずにはいられません。

プリンスエドワード島は、東海岸セントローレンス湾に浮かぶ「世界で最も美しい島」!赤土の自然豊かな風景は「赤毛のアン」世界そのものです。

じゃがいもと靴下に空いた穴

日本テレビ「秘密のケンミンSHOW」で、靴下に空いた穴のことをじゃがいもと呼ぶ長崎の方言が話題になったことがあります。そういえば、長崎には赤土で栽培した「出島」というじゃがいもがあります。プリンスエドワード島と長崎は共に赤土の豊かな土壌でじゃがいもを栽培しているのですね。意外な共通点を発見し、何だか嬉しくなりました。


Savory Potato Cooking Ideas: Potato Recipes for Spud Lovers: Potato Recipes (English Edition)

Spud Islandはじゃがいもの島!ポテト料理のレシピブックで「Spud Lovers」の文字を発見!英語の「spud(スパッド)」は根や雑草を掘り出すための鋭いシャベルのことですが、「potato(ポテト)」のスラングとしても使われます。

じゃがいもは、焼いたり、揚げたり、蒸したり、様々な方法で調理できる優れもの。パラッパッパッパー♪「I’m lovin’ it!」マックポテトとプリンスエドワード島の意外な関係からどんどん知識が広がっていきます。これからマックフライポテトを食べるたびに、アンの島を思い出すことでしょう。

プリンスエドワード島のポテトミュージアム

じゃがいもの名産地として有名なプリンスエドワード島には、ポテトミュージアム「Canadian Potato Museum & Antique Farm Machinery Museum」があります。場所は、プリンスエドワード島西部のオレアリー。巨大なじゃがいもの模型が目印です。カナダのポテトに関する歴史資料館で、レストランやギフトショップも併設されています。

「アイランダー」と呼ばれるプリンスエドワード島に住む人たちは本当に島が大好きで、美味しいじゃがいもは島の人たちにとって大きな誇りなのでしょうね。

ポテトミュージアムのホームページ https://canadianpotatomuseum.info/ 

最後に

プリンスエドワード島のじゃがいもが美味しいのは赤土のおかげだったのですね!知れば知るほど面白いアンの島!世界一美しい島を訪れる際は、アイランダーご自慢のじゃがいも料理をたくさん召し上がってくださいね

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