
【赤毛のアン旅行記】「赤毛のアン」の舞台プリンスエドワード島は、作者モンゴメリが生まれた国カナダのセントローレンス湾に浮かぶ美しい島。アボンリー村のモデルとなったキャベンディッシュやシャーロットタウンなどがあり人気の観光スポットとなっています。今回は物語の世界を再現したアンの家グリーンゲイブルズ、恋人の小径やお化けの森など、”EがついたAnne”の島「プリンスエドワード島」の見どころをご紹介します。
プリンスエドワード島ってどんな場所?

プリンスエドワード島は「赤毛のアン」の物語の舞台であり、作者モンゴメリが生まれた国でもあるカナダ東部のセントローレンス湾に浮かぶ島で、首都(州都)はシャーロットタウンです。
プリンスエドワード島の総面積 5,660km²、愛媛県とほぼ同じ広さです。夏の最高気温は25度前後、最低気温は10度前後、冬の最低気温は氷点下10度まで下がる雪の多い地域です。
モンゴメリ原作「赤毛のアン」は孤児院育ちのアンがグリーンゲイブルズに住むマシュウとマリラ兄妹の所に引き取られるお話ですが、プリンスエドワード島にはグリーンゲイブルズ、恋人の小道やお化けの森など赤毛のアンゆかりの場所が実在しカナダの人気観光スポットとなっています。

プリンスエドワード島出身のルーシー・モード・モンゴメリは生まれ育った島を舞台に、赤毛のアンの物語を創作しました。プリンスエドワード島国立公園内にあるグリーンゲイブルズはモンゴメリの親戚の家で、現在は当時の時代背景をもとにアンの世界を再現した人気の観光スポットとなっています。
『赤毛のアン』の原題「Anne of Green Gables」の直訳は「緑の切妻屋根のアン」。グリーンゲイブルズ(Green Gables)「緑の切妻屋根(きりづまやね)」の切妻屋根とは本を開いて伏せたような屋根のことです。アンの家の可愛い三角屋根はまるで絵本から飛び出してきたかのようです。
グリーンゲイブルズは地名ではなく、マシューとマリラ兄妹カスバート家の屋号。アボンリー(グリーンゲイブルズのある場所)には同じ名字の一家が多く住んでいたので、名字ではなく屋号が使われていたそうです。ちなみに、アンの腹心の友ダイアナの家の屋号はオーチャード・スロープ(Orchard Slope)、果樹園の坂です。
「あんたは、だれだね?」ミス・バーリーはあいさつもせずにたずねた。
赤毛のアン(モンゴメリ著 村岡花子訳/新潮文庫)
「あたしグリーンゲイブルズのアンです」と小さなお客はふるえながら答えた。
プリンスエドワード島観光
赤毛のアンの舞台プリンスエドワード島にはアンの家「グリーンゲイブルズ」をはじめ、物語に登場する「恋人の小径」や「お化けの森」などアンゆかりの場所がたくさんあります。
プリンスエドワード島はカナダで一番小さい州ですが、1日ではとても回り切れません。滞在期間に合わせてテーマを絞り旅のプランを立てることをおすすめします。赤毛のアンの現地ツアーなどを利用すると、短い滞在日数でも島に点在する観光名所を効率よく回ることができます。専用車で行く日本語ツアーならガイドさんの説明付きなので旅の知識が深まりますよ。
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プリンスエドワード島の地図
赤毛のアンの舞台プリンスエドワード島はカナダ東部セントローレンス湾に浮かぶ島。地図で確認してみると、シャーロットタウンは島の中心にあり、アボンリー(グリーンゲイブルズのある場所)のモデルとなったキャベンディッシュは、プリンスエドワード島の北岸、セントローレンス湾に面していることがわかります。
キャベンディッシュ
キャベンディッシュはアボンリーのモデルとなった村で、グリーンゲイブルズなど、赤毛のアンゆかりの見どころが点在しています。グリーンゲイブルズ周辺には「恋人の小径」や「お化けの森」もあり、まるで赤毛のアンの物語の世界に迷い込んだような気分になれる夢のようなエリアです。
モンゴメリと夫ユーアン・マクドナルドが眠るお墓や、モンゴメリの祖父母が営む郵便局を再現したグリーンゲイブルズ郵便局もキャベンディッシュにあります。グリーンゲイブルズ郵便局内には博物館と郵便局があり、実際に手紙を出すこともできます。手紙に押してもらえる可愛いアンのスタンプは旅の記念になりますよ。
シャーロットタウン

シャーロットタウンはプリンスエドワード島の中心都市で、物語ではアンやギルバートが通うクイーン学院や、ダイアナの大伯母ミス・バリーの豪邸「ブナの木屋敷」がある町として描かれています。ビクトリア様式の建物などが立ち並ぶ街並みは、100年以上前のアンの時代にタイムスリップしたかのよう。カナダ連邦誕生の会議が行われた「プロビンスハウス」や総石造りの教会「セント・ダンスタンズ大聖堂」などレトロな建物が多く、散策するのに最適なエリアです。

また、多くのレストランやショップが集まるシャーロットタウンはショッピングや食事に欠かせない場所。プリンスエドワード島のお土産におすすめのアングッズがたくさんあります。人気のアングッズ専門店「アン・オブ・グリーンゲイブルズ・ストア」はモンゴメリがかつて通ったゼネラルストアなのです。

クイーン学院のモデルになった学校「プリンス・オブ・ウェ―ルズ・カレッジ(Prince of Wales’ Colleg)」は実際にモンゴメリが教員免許を取るために通った学校でもありますが、現在は「ホーランドカレッジ(Holland College)」となっています。
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パークコーナー

パークコーナーにある「グリーンゲイブルズ博物館(Anne of Green Gables Museum)」は、モンゴメリの小説「パットお嬢さん」の舞台「銀の森屋敷」です。シャーロットタウンから車で1時間ほどの場所にあります。
「銀の森屋敷」は実際にモンゴメリの母方の伯母アニー・キャンベルが住んでいた家で、モンゴメリ自身も半年ほど住んでおり、この家の客間で結婚式を挙げました。「グリーンゲイブルズ博物館」のすぐ近くに「輝く湖水」もあります。
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ニュー・ロンドン
ニュー・ロンドンはモンゴメリが生まれた場所で、シャーロットタウンから車で50分ほどの場所にあります。モンゴメリの生家は「L. M. Montgomery Birthplace」というミュージアムになっています。モンゴメリ生家の1階は客間、居間、台所、2階にはモンゴメリが生まれた寝室があります。
そのほか、美しい田園風景が広がる「フレンチリバー」、小さな灯台が印象的な「ケープ・トライオン」など、プリンスエドワード島はどこを切り取っても絵になる風景ばかりです。「ホワイトサンドホテル」のモデルとなったダルベイ・バイ・ザ・シー ホテルは、イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃がハネムーンで訪れたことでも有名です。

「世界一美しい島」とアンが称えたプリンスエドワード島は魅力的な場所が多すぎて、とても一度では味わい尽くすことができません。私たちをガイドして下さったKさんはアンの島に魅せられて日本から移住されたのだそうです。そう、プリンスエドワード島は人生を変えてしまうほど強烈な魅力があるのです。
最後に
「赤毛のアン」の舞台であり、作者モンゴメリが生まれた国でもあるプリンスエドワード島。カナダ東部セントローレンス湾に浮かぶ美しい島は、アボンリーのモデルとなったキャベンディッシュや、モンゴメリが通った学校やお店があるシャーロットタウンなど見どころ満載。たちまちアンの世界にタイムスリップできますよ。
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