
赤毛のアンの舞台・プリンスエドワード島(PEI)は、四季折々魅力あふれる自然がいっぱい。ベストシーズンは6月~10月と言われていますが、オフシーズンならではのメリットもたくさんあります。今回は体験談を交えながら世界で一番美しい島の楽しみ方をご紹介します。
プリンスエドワード島の四季

赤毛のアンの舞台・プリンスエドワード島には四季折々の魅力がいっぱい。果樹園のピンクの花が満開になる春、紺碧の海がひと際輝く夏、グリーンゲイブルズの庭に赤いりんごが実る秋、そして、白い雪原が真珠のように輝く冬・・・。どの季節も自然からの贈り物が溢れています。
「プリンス・エドワード島は世界じゅうでいちばんきれいなところだって、いつも聞いていましたから、自分がそこに住んでいるところをよく想像していましたけれど、まさかほんとうにそうなるなんて夢にも思わなかったわ。想像していたことがほんとうになるって、うれしいことじゃない?」
『赤毛のアン』(モンゴメリ著 村岡花子訳/ 新潮文庫)
アンがダイアナと一緒に何度も歩いた『恋人の小径』、アンの想像力が災いして一時は歩けなくなった『お化けの森』、それからアンが名づける時”ぞくぞくっとした”『輝く湖水』など、世界一美しい島の景色は四季折々の感動を与えてくれます。
プリンスエドワード島のベストシーズン

カナダ・プリンスエドワード島のベストシーズンは6月~10月と言われていますが、特に、長い冬が終わり色とりどりの花がいっせいに咲き誇る春や、色鮮やかな紅葉が見ごろになる秋は、”世界一美しい島” の豊かな自然を思う存分楽しめる季節です。その中でも夏のバカンスシーズンは 「アボンリービレッジ」がオープンしたり、「赤毛のアン」のミュージカルが開催されたり、観光シーズンならではのお楽しみが満載です。
「四月も末のある夕方、教会の婦人会からの帰り道、マリラは、老いた者にも悲しむ者にも、若い者、幸福な者の差別なく春がもたらすよろこびで、胸がときめくのを覚えた。」
『赤毛のアン』(モンゴメリ著 村岡花子訳/ 新潮文庫)
カナダのプリンスエドワード島は、北海道と同じくらいの気候で、夏の最高気温は25度前後、冬の最低気温は氷点下10度以下になるそうです。私たちが5月に旅行した時はかなり寒く、毎日ダウンコートを着て観光スポットを回りました。
プリンスエドワード島の天気はその年によって差がありますが、通常5月頃までセーターやジャケットが手放せないそうです。特に朝晩は冷えるので、温度調節ができるような服装をおすすめします。
2019年の冬は特に寒さが厳しかったようで、プリンスエドワードの現地ツアーのガイドさんも、なかなか花が咲かないと嘆いていらっしゃいました。例年ならちらほら花が咲いている時期なのだそうです。ツアーの途中、車の窓から黄色いレンギョウの花が見えた時、「ようやく咲きました!」と弾む声でガイドさんが教えて下さったのが印象的でした。
「そしてアンが気がつかないうちに春はふたたびグリン・ゲイブルスにめぐってきて、世はまたも花に包まれた。」
『赤毛のアン』(モンゴメリ著 村岡花子訳/ 新潮文庫)
オフシーズンのメリット・デメリット

プリンスエドワード島を旅行する際、あえて6月~10月以外の季節を選び、オフシーズンならではの大きなメリットを活用する方法もあります。何と言ってもオフシーズンは観光客が少ないのでゆっくり見学できるのが魅力です。また、混雑している時は思い通りに写真を撮るのは難しいですが、オフシーズンなら気兼ねなく動き回り自由に撮影することができるのでおすすめです。
例えば、私たちはベストシーズン直前の5月に行ったのでまだ観光客も少なく、グリーンゲイブルズ(赤毛のアンの家)やグリーンゲイブルズ博物館(銀の森屋敷)などの人気スポットもあまり混雑していませんでした。人混みが少ないオフシーズンならアンゆかりの施設をゆっくり見学できるので、アンの世界に浸るには最適かもしれません。
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ただし、オフシーズンのデメリットは、プリンスエドワード島のほとんどの施設がクローズしてしまうこと。例えば、赤毛のアンの家『グリーンゲイブルズ( 赤毛のアンの家)』 は、12月上旬~4月中旬までは休業期間なので室内を見学することができません。閉館中も外観の写真撮影などはできますが、事前にチェックしておかないと現地でがっかり…なんてことになりかねません。
2019年5月中旬にプリンスエドワード島を旅行した時は、モンゴメリの生家とグリーンゲイブルズ郵便局はまだオープン前だったので、残念ながら外観のみの見学となりました。事前に休館中だとわかっていたのですが、スケジュールの都合上、どうしても日程を変更できなかったのです。でも、心残りがある方がもう一度旅行するきっかけになるかも・・・なんて思っています。
美しい自然が広がるカナダのプリンスエドワード島は、ベストシーズンの6月~10月はもちろん、オフシーズンでも様々なメリットがあります。花ざかりのプリンスエドワード島を見てみたい、グリーンゲイブルズをゆっくり見学したい、島の自然をカメラに収めたいなど、旅の目的はそれぞれ違うと思いますが、あらかじめ優先順位を決めておけば、きっと心おきなく充実した時間を過ごせることでしょう。
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